トマス・マイケル・ディッシュ（Thomas Michael Disch 1940年2月2日生）［アメリカ・作家/詩人］
アイオワ州デモイン生まれ。1960年代にマイケル・ムアコックの『ニュー・ワールズ』誌と係わり、その経験をもとに『キャンプ・コンセントレーション』（1968年）などのアバンギャルドSFを発表した。1966年の短編『リスの檻』はニュー・ウェーブを象徴する作品として有名であり、日本でも第1回（1970年）星雲賞海外短編賞受賞。長編『歌の翼に』でキャンベル記念賞を受賞（1980年）。「児童向け」作品『いさましいちびのトースター』も好評で、第13回（1982年）星雲賞海外短編賞を受賞したほか、本国ではアニメーション映画化された。
ヒューゴー賞、ネビュラ賞に幾度もノミネートされたが受賞せず「無冠の帝王」と綽名されたが、1998年に発表した文化へのSFの影響を考察した評論『The Dreams Our Stuff Is Made Of』で、初のヒューゴー賞関連書籍部門を受賞。SF界きっての知性派と言われた。
ディッシュはニューヨーク市内のアパートとニューヨーク州バリービルの家を30年来のパートナーで詩人のチャールズ･ネイラーと共有していた。ディッシュの私生活はほとんど明らかにされていない。彼は1968年に同性愛者であることを明かしている。2005年にネイラーが亡くなると、バリービルの家を手放さざるを得なくなり、同時にアパートのネイラーのぶんの賃料まで支払うことになり、確実にうつが進行していった。長期に渡るうつ病の末、2008年7月4日にニューヨーク州ニューヨークで拳銃自殺を遂げた。
2008年7月4日死去(享年68)
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